122.氷の落ちる場所

第三部 魔人編

第一章 Happy Spring Day

122 氷の落ちる場所

「ンガッ……俺を、雇おー、なんてよォ、後ろから、撃たれても、知らねエぞ?」

 私の右手側にいるゼスが肉にかぶりつきながらモゴモゴ喋る。

「弾の無駄だ」

 左手側のトランクスさんは取り皿にポテトサラダを大盛にしながら言う。
 そんな二人の真ん中で、私は中身がなくなった皿と料理が入った別の皿を交換している。

 なんでこんなことになったのかというと、ゼスに聞きたいことがあるからとトランクスさんが言ったからだ。
 ちょうどお昼を過ぎた頃だったし、昼食を食べることになったのだが……。

 ――こいつ、めちゃくちゃ食べる。さっきまで号泣してたくせに……。
 トランクスさんはわかるが、ゼスはソタ豆を食べたはず。食い過ぎでは?

 というか私、二人の勢いがすごくて手が出せないんですけど。
 二人の手は競い合うように皿の上を忙しなく行き来し、視線はお互いを睨んだままだ。

「お前は、無理かも、だけどなァ、ノロマは、殺れるぞ。ングッ」

 ドヤって笑ってるけど、お前食べ方きたな過ぎだよ。

 ゼスは子どもか?ってレベルでほぼ手づかみ。取り皿はおろかカトラリーさえ使わない。
 ボロボロこぼしながらがつがつ食べている。

「それも無駄だな」

 淡々としているけど、ゼスが卵焼きに手を伸ばしたときめちゃくちゃ睨んでたの見てたよ私。

 トランクスさんは取り皿を使い、スプーンでこぼさないように食べている。
 キレイだけど、いつもより動作が高速だ。

 まだ一つの料理も口に入れられない私が言えることは一つだ。

「喋るか食べるかどっちかにしてくれませんかね」

 さっきから単語単語で口に物詰め込みやがって。
 マジで競ってるのかトランクスさんも頬袋膨らんでるし。

 ゼスが私のほうに顔を向けた。
 頬パンパン。リスかよ。

「うっへーバファ。――ボォエッ!」

 頭に〈氷礫〉が落ちてゼスの口の中身が全部出た。

「痛ってェ! 変なのボコボコ落としやがって……ん、あ!? 血ィ出てるじゃねーか! クソ痛ェ!」
「うるさいなー。こっちに口の中のもの飛ばすからでしょ。自業自得だよ」
「……」

 雑巾渡したらそれで頭を押さえ始めた。
 違うよ。お前の口から出たものを拭け。

「ソタ豆やって」

 頬袋がなくなったトランクスさんに言われたので渋々ソタ豆を取り出す。
 元気そうだからまだあげなくてもいいと思うんですけど!
 とか思ってたら、ゼスが雑巾を後ろに放り投げ、横からソタ豆を強奪していった。
 む、むかつく~!!

「……なんか腹いっぱいになった」
「そういうものだからな」

 ゼスは深くため息を吐きながら天井を仰ぎ見ている。
 くつろいでないでさっさと拭けよ……。
 トランクスさんのために料理を増やしながら睨むが、コイツ一向に動かない!

「金貰って、飯も寝るところもあるってンなら、文句はねエけどよォ。ノグレとアルトンは仕事終わったらどうなるんだ?」

 ゼスが動かないままで聞いてきた。

「当分終わらないと思うが、そうだな。ウチで働いてもらうか、学校でも行ってもらうか」
「ガッコー? ブハッ! そんなのドコにあンだよ。ま、あったとして大人しくそんなトコに行くヤツらじゃねエけど」

 ガバッと元の体制に戻ったかと思ったら、で前にあった皿やカトラリー食い残しをガチャガチャ音を立てて寄せ、延ばした。
 私の顔は人生で一番ひきつった。

「流石イイトコの社員サンは考えることが違うわ。で? 俺はなにすればいいんだ? 壊した窓と扉の修理か? 金は出さねエけど材料さえありゃあ直せるぜ」

 ニヤニヤ笑うゼスの足先が食べ残しの皿上にある。横には手つかずの料理が並んでいた。
 それを見て、もう我慢ならなかった。

「行儀が悪い」
「あァ?」

 首を回して見てくるゼスは殊更面倒そうに片眉をあげた。

「ちゃんと座って。片付けるなら手を使って」
「ハァ?」

 馬鹿にしたように足を組んだゼスを見た瞬間、怒りが頂点近くまで達した。

「この足を! どけろって言ってんだよ! 皿に! 足を向けるな!」

 目を白黒させているゼスの脚を持ち上げ、皿とは別方向に放り投げる。

「その手は飾りか!? お前が食べた料理も、皿も、スプーンも、足で触っていいものじゃないんだよ! 次料理の上に足があったら切るからな!!」
「は、ハア? なにいきなり怒ってんだよ。ビョーキか? ……ヒッ!」

 あまりにも腹が立ったので〈氷礫〉を出してゼスの周りに落とした。

「ヒイィ……!」

 ――ん? あれ?

 私はゼスの周りのどこかに落ちればいいと思って歌った。
 もったいなくてソタ豆を食べさせたくなかったから。
 ゼスの気配がするところ以外を標的にしていたのだ。

 でも私が出した〈氷礫〉は、つぶての形をしていなかった。
 なぜかちょうどゼスの周りを囲むように形成されている。
 私は思いっきり首を傾げた。

「なんでこんな形に?」
「わからないままやったんですか……」

 トランクスさんは驚愕した表情をしているが、そんな顔をされてもわからないものはわからない。

 〈氷〉を出す歌には種類があり、私が歌ったのは一番簡単なつぶて――〈氷礫〉になる歌だ。
 〈氷礫〉は当てるところさえはっきり意識していれば最大で5個同時に出せる。
 目標地点に積み重ねることができ、複数回歌えば〈氷〉同士は結合して塊になる。
 でも私は一度しか歌っていない。
 5個の〈氷礫〉がゼスの周りに落ちる以外の結果はありえないんだけど。超サイヤ人にもなってない……うん、髪も黒い。

 目の前の〈氷〉は綺麗にゼスを囲み、上の部分は開いている。
 飛んで覗き込んでもゼスがいる部分には欠片すら落ちていない。
 セルの時は木みたいだったけどそれとも違うし、つららがくっついたものってわけでもない。どちらかと言うと地層?ができている。
 なんで出たんだ??

「サーヤ、これ消しませんか」
「……このままでよくないですか。ほらおとなしい」

 身体には接触してないっぽいから無事だよ?
 ゼスを指させば、トランクスさんが渋い顔をした。

「よくないし、やりすぎ」

 トランクスさんが渋い顔のまま食事を続けることなくじっと見つめて訴えてくるから、〈氷〉は消すことにした。
 出てきたゼスは涙目で、借りてきた猫のように大人しくなった。

 + + + + + + + + + + + 

「おかえりー。どうだった栄養剤。かなり効き目あったんじゃない?」

 CCに戻ったとき、目の前のブルマさんがキラキラした目でトランクスさんに聞いてた。

「効きすぎて怪しまれそうだったので薄い方に変えてきました」

 そう答えるトランクスさんとの会話がまるっきり人体実験してるように聞こえる。
 いいのか? 倫理的に。

「そっか。ログは? あと後ろの……誰?」

 ブルマさんに指さされたゼスは借りた猫そのままにビクついた。

「支店の地下扉開けて窓壊して逃げたヤツです。ここで働かせようと思って連れてきました」
「扉開けたの? 一人で? ふうん。ずいぶん背が高いわねー。……若いし、いいんじゃない」

 タバコ片手にブルマさんがコツコツ音を立てながら歩いてきて、俯きがちなゼスを下から見上げて覗き込んだ。
 二人で並ぶとゼスの背が高くて頭一つ分ほど違うのだが、大きいゼスは腰が引き気味でブルマさんがより強そうに見える。

「じゃあよろしくお願いします」

 トランクスさんが部屋から出ていこうとしたので自分も退出しようとしたら、ゼスが焦った声を出した。

「オ、オイ。俺は……」

 いきなり知らない場所に置いて行かれるから不安なのかな?

「悪口言わないで挨拶しとけば大丈夫。ありがとうとすみませんくらいは言えるでしょ」
「あ? そん……チッ」

 基本中の基本を言えば苦虫を噛み潰したような顔をされた。
 なぜだ。不安そうだったからアドバイスしてやったのに。

 解せぬと思いながらブルマさんの研究室を後にした。

 食堂に向かう途中、トランクスさんと今後についていくつか話し合った。
 まずミスターサタンが動けるようにならないと次の段階――英雄になってもらうことができないということ。
 そのために最低でも三日に一回は避難所に行くから、その往復路を瞬間移動で送っていくということ。

「あと、サーヤは自分の能力をコントロールできるようになってください」

 歩いてるときにいきなり言われて驚いた。

「へ? できてますよ? ちゃんと瞬間移動できるし、〈壁〉だって昔より早く正確に長く出せるし。もしかして変形ですか? 壁の変形は無から有を作り出すくらい難しいのでできるようになるのはなかなか」
「〈氷〉の方ですよ。さっきもできてなかったじゃないか」
「〈氷〉!?」

 驚いたを通り越して青天の霹靂である。
 表情に出ていたのか、トランクスさんに不審そうな顔をされてしまった。

「あれは、あの時何故かあの形で出ただけで、普通は形が決まってるモノなんですよ。教科書に載ってるんです。それ以外にはなるはずなくて……」

 どうやって出すものなのか、いくつ出せるのか、〈かばん〉の奥底に入っているだろう教科書を思い出しながらトランクスさんに話していたらいつの間にか立ち止まっていた。

「俺が言いたいのは〈氷〉の落とし方です。大きさや速度の加減がちゃんとできていると言えますか? ゼスに落としたのはいつもトーガやチルに落としている大きさと同じでしょう。あれは地球人には強すぎる。ゼスの頭は結構割れていて、ソタ豆を食べなければ死んでいた」

 真剣な表情で諭されて絶句した。

 ……本当に?
 〈氷〉と〈壁〉だったら〈壁〉が最重要だったし、教科書の約半分は〈壁〉のことで埋まってる。
 残りが〈壁〉が出ない歌についてと喉について、最後のほんの少しが〈氷〉を作り出す歌について書かれている。1割ないかもってレベル。
 応用もなにもない。書かれていないのだ。
 そんな〈氷〉が強いと?

「教科書、見せて」

 返事をしない私に焦れたのか、トランクスさんが凄むように顔を寄せてきた。
 一歩引いてワタワタと〈かばん〉の中をかき回し、やっと見つけた教科書は結構ぼろぼろだ。
 精神と時の部屋で出しっぱなしだったのが悪かったのかもしれない……。

「これだけ?」

 ぺらぺらと教科書をめくったトランクスさんは眉を顰めた。
 そんな顔をされても〈氷〉のページは増えたりしない。

「確認したいので」と私は外に連れ出され、雪が積もってる庭の一角で歌うことになった。

 〈氷〉の主な歌は3つだ。
 〈氷礫〉の歌、つららの歌、ウニの歌。もちろんそれぞれちゃんと曲名があるが、私は形状の名前で呼んでいる。
 〈氷礫〉――氷のつぶてが歌としては最も簡単で、一度に出せる弾数が多いから日常ではそれしか使ってない。
 〈氷〉は当たる範囲を頭の中で指定できれば出現し、目標に向かって飛んでいく。
 目標地点が無機物だった場合も同じ。

 気配があった場合――つまり人間などの動物だったらもっと簡単。いわゆるロックオン状態になるからだ。
 つまり目を瞑ってても当てられる。
 ただ、気配に向かって飛んでいくので、どこに当たるかはわからない。

 当てる場所や向きまで詳細に指定するとなると、頭の中で飛んでいく方向を調整しなければならない。
 空間把握能力が問われるので、よほどじゃないとやらない。基本的には歌いっぱなしだ。

 それに、私が〈氷〉を出す頻度は多くない。
 というのも大体双子を叱る場合や止めるためで、それ以外で使うときってあんまりない。
 狩猟だって双子がいれば〈氷〉を使うこともないし。

 だからトランクスさんが言う威力云々については塵ほども考えたことはなかった。

「……形状こそ違うけど、速度に差はないな……」

 おおよそ歌い終えた後、トランクスさんは教科書をもって考え込んでしまった。

 無理もない。
 〈氷〉は近くに落としても遠くを狙ってもどうやっても威力は変わらなかった。そして〈壁〉みたいに半音変えて形状が変化することもなく、音を変えてしまうと〈氷〉自体が出ない。おまけにゼスの時みたいな変な形の〈氷〉も出てこない。
 威力は変えようがなかったのだ。

 いつもトーガとチルに落としてたけど、単に二人の頭が頑丈なおかげで死ななかっただけ。
 地球人相手だと〈氷礫〉で致命傷になるということがゼスでわかってしまった。

 そこではっと思い至った。
 私、今日、地球人二人に〈氷礫〉を落とした。
 その人たちは、生きているんだろうか。

「トランクスさん、ねえ」

 袖を引っ張るが、トランクスさんの反応はない。
 宇宙船を見てるとき及び地下街でネジ選んでるときとまるで一緒だ。想定内です。
 いつもは遠慮するけど、今回はしないぞ。
 私は息を吸って、トランクスさんの耳元で大きな声を出した。

「トランクスさんってば!!」
「うわっ!? な、なに!?」

 なにじゃないよもう。

「さっき、ゼスたちの住んでたところで外から襲われたじゃないですか。その時窓近くにいた二人に〈氷礫〉を落としたんです。その人たちって……生きてましたか?」

 意図せず人を殺してしまったかもしれない。
 そう思って見上げれば、左耳に手を当てて苦い顔をしていたトランクスさんが安心させるように微笑んだ。

「生きてましたよ。気絶していたので、武器を壊しました」
「そうですか!」

 よかったー。自分が知らないところで二人も殺してるなんてことになったら精神的に参るし、私が今世まっとうした後閻魔大王の前で弁明さえできないまま地獄行きだったわ。
 私はほっと胸をなでおろした。

「そろそろ暗くなるから、今日はもうやめておきましょう。この教科書、借りてもいいですか」

 トランクスさんに言われ、もちろんと頷く。
 そういえば普通に会話できてるけど、トランクスさんの耳は大丈夫だったんだろうか。

「あの、結構大きい声出したんですけど鼓膜は無事だったんですか?」
「え、鼓膜? ……普通、だけど」

 困惑気に答えられた。
 すごいな。耳元で大きな声出したから聞こえなくなったらソタ豆食べさせようと思ってたのに。
 ずいぶん頑丈な耳だ。

「次から話を聞いてもらいたいときは大声を出すことにしますね!」
「それはちょっと……」

 意気揚々と宣言したら渋られてしまった。
 待ちくたびれて疲れないし外傷も負わない、いいことだと思うんだけどな……。

 その後は特に何事もなく。トランクスさんと別れ、ごくごく普通にチチさんたちとご飯支度をして夕ご飯の時間になったんだけど……。

「アッ! ノロマ!」

 ゼスが食堂に来るなり人を指差して叫んだ。
 そしたらそこにいる全員が私に顔を向けた。
 CC従業員は言わずもがな、カードゲームしているクリリンさんやヤムチャさん。そして料理を運搬しているトーガとチルだ。
 そのほかの人はまだ食堂には来ていない。

 ゼスは両肩を怒らせて私のところまで来ると、「アイツはどこだ」と上から睨んできた。
 ……どうしよう。睨まれてるけど髪型が一昔前の不良だから脳内で「ダッセェ」という文字がこだましてしまう。

「お前と一緒にいたスカした男だよ! どこにいる!」
「ノロマって名前じゃないので知らないですー」
「この……!」

 コイツ学習しないな。人に聞くならそれなりの態度をしなさいよって言ったでしょ。
 私は作業を止めることなく、ティーポットにお茶を入れる。

「名前も覚えられないような人に尋ねられても困りますー。今度は全身氷漬けにしましょっかー?」

 人のことを悪く言うのは変わらないし、料理を足蹴にされたのも思い出すし、正直結構頭に来てた。
 だから煽ったのだが、ゼスはバツが悪そうに眉を寄せる。

「……お前の名前なんて聞いてねエから知らねエ」

 あれぇ? トランクスさんが私の名前を呼んでた気がするんだけどな……。

「そうでしたっけ。それは失礼しました。私の名前はサーヤ、あそこの赤い髪の子がトーガでこっちがチル。二人とも私の弟と妹です」
「似てねエ」

 即答かよ。しかも被り気味で言われてしまった。

「そんなことはいい! アイツの居場所を教えろ!」
「アイツってトランクスさんのこと?」
「そう! ソイツ! どこにいる!」

 どこにいるって言われてもなあ。普通に部屋でまだ作業してるっぽい。
「出てすぐの建物にいる」と教えたら「ハア!? あの中探せってのか!?」と腕を掴まれてしまった。

「急いでンだよ! 連れてってくれ!」
「ええ? 待ってたら来るよ。そろそろご飯の時間だし、ぃ!?」

 なんと、グイグイ腕を引っ張られテーブルから離れることになってしまった。
 お茶入れてたのにー。

「無理やり連れて行くのはダメだよ」

 チルがゼスの前に立った。
 ゼスは一瞬だけ動きを止めたけど、また腕を引っ張り始めた。

「ちょっと借りるだけだ。すぐ返す」
「そんなに引っ張ったらサーヤの腕もげちゃう」
「もげねーよ。そんなヤワじゃねエだろ」

 避けて通り過ぎようとしたゼスの腕をチルが掴む。ギョッとしたゼスは慌てて腕を振りほどき、掴まれた右腕を庇うように押さえた。
 解放された私の腕は特に痛みもない。

「――馬鹿力かよ。キョーダイそろって化け物か?」

 おーっと、そんなこと言うと敵に回すぞ? チルを。

「どうしたんだ?」

 そこへ料理が大量にのったお盆を持った悟飯さんと天津飯さんが出入り口から入ってきた。ちょうどゼスの前に悟飯さんがいる。

「このひと、トラ兄に用があるからってサーヤを連れて行こうとしたの!」
「ん??」

 チルに説明を受けた悟飯さんと天津飯さんは頭に疑問符が浮かんでそうな顔をした。

「腕がもげそうなくらい引っ張ったんだよ!」
「大丈夫、そこまでではなかった」

 チルは目を吊り上げながら悟飯さんたちに訴えているが、私としてはもう少し怒りを押さえてもらいたい。痛くはなかったんだよ。
 あんまり言われると私虚弱みたいじゃん……。
 しかしチルに「引きずられてたでしょ!」と怒られてしまった。

「よくわからないけど、トランクスに用があったのかい? 俺が案内しようか」

 悟飯さんがゼスに笑いかけた。

 ええ~優しい~。過去でも優しかったけど変わらないんだな~。絆されないように気をつけよ~。

「これを置いてくるから、ちょっと待っててくれ」

 天津飯さんが先に歩き出し、悟飯さんが続くかと思ったらゼスが「いい」と言った。
 めちゃくちゃ小さい声だった。

 ゼスを見上げたら顔が真っ青だった。褐色の肌でも血の気が引いているとわかるくらい。

「……いい、です。すみませんでした……」

 えっ、お前敬語使えたの!?

 めちゃくちゃ驚いたけど、ゼスはそう言うなり走って食堂から出て行ってしまった。

「なんなの?」

 チルの言葉に完全同意しながら私は「さあ……?」と首を傾げた。


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