61.熱源

第二部 人造人間編

第一章 希望

61 熱源

 改築が終わった。
 地下に宇宙船が入るようになり、近くには食卓や椅子、飲み物用の冷蔵庫などが設置された。
 さながらリビングである。
 これでもう地上と地下をいちいち行き来しなくてもいい。非常に楽!

 そんな宇宙船の台所で椅子に座り、考えていた。

 ドラゴンボールについてだ。
 この世界の地球ではピッコロさんが死んでしまっているのでドラゴンボールはない。
 使いたいならナメック星に行くしかないが――場所がわからない。探し当てることも困難。

 しかし、思い出したのだ。
 悟空さんが、セルを倒す前にナメック星に行くはず。
 ピッコロさんの代わりに神様になってもらうナメック星人を探しに。

 ……その時、一緒に連れて行ってもらえないだろうか。

 ナメック星にいる長老とか、ナメック星人の気配を私が覚えれば、未来に帰ってきてもナメック星にいけるんじゃない?
 そしてドラゴンボールを使わせてもらえれば、みんな生き返る。
 ポルンガは神龍と違って、特に制約なかったはず。生き返る年数回数に制限はない……たぶん。
 それでもって地球をもとの荒廃していない状態に戻せるかもしれない。

 ――なーんて、都合のいいことを思いついたわけだけど、そもそもブルマさんやトランクスさんが駄目だって言ったら無理になる。相談、してみようかなあ……。

 そのとき、チーンとオーブンが鳴った。

 ケーキの生地が焼けた!
 オーブンいっぱいに膨らんだスポンジを取り出し、焼き縮みを防ぐために幾度か落とす。
 このでかいケーキは言わずもがな、トランクスさんの誕生日用だ。

 先日9つ作れといわれたケーキ、私は作る気などなかったが双子はめげなかった。
 朝から晩までずっとケーキケーキ言い続けた。
 無視してればそのうち黙るだろと思っていたら一週間騒ぎ続け、先に周りが折れた。
 うんざりとでも言いたそうなブルマさんの顔と、申し訳なさそうなトランクスさんの顔は居候には実に堪えた。

 仕方なく作ることにしたけど、量がな……。
 でかいホールケーキ9個って、一人で作るもんなんか?

 交渉して減らそうとしたものの、どう説得しても7つ以下にはならず、私は毎晩下ごしらえと平行して作ることになってしまった。
 今までも夜にお菓子を作ってきたけれども、今まで以上に作業量が多い。

 いいんだけどね。
 材料無いって言ったら双子がとってくるようになったし、〈かばん〉使えば作ってる途中でも時間経過なし。新鮮なまま期日まで持っておける。
 皿は布使えばいいし、ソタ豆を食べれば体力MAXになるし? 睡眠時間削ればどうってことはない。
 その分疲労は溜るんだけど。
 その疲労が一番しんどいんだけど。

 でもスポンジケーキ4つ焼き終わったときに、ふと思った。

 これ、まだできてないって言い続けてれば双子はずっと材料取ってきてくれる……?
 そして手間かかりそうなお菓子も同時に作っておけば……。

 それだ。
 今ならお菓子をどれだけ作ってもチルに追及されない。
『甘い匂いするけど昨日何作ったの?』とか聞かれても『ケーキ』で言い訳が立つ。
 匂いがまぎれるのもいい。そうしよ!

 少しずつ作りためていって、後で適当に包むと。
 円滑な人間関係は贈り物をすることでわりと早くに築けるものだからな。
 もしどうしても過去に行っちゃだめって言われたら交易品としてヤードラットに持っていけばいいし、余ったらチルが食べる。損にはなるまい。

 そう思えば捗る捗る。
 双子の誕生日をとうに過ぎて、ケーキを作り終えても私は毎晩お菓子を作り続けていた。

 そうしたらまさかの弊害が出た。

 匂いにつられるようにトランクスさんがキッチンにやってくるようになったのだ。
 いわく。明るかったからついでに調べものしたかったらしい。
 確かに、宇宙船の中と外では明るさがずいぶん違う。
 キッチンとリビングは特に明るいので、そう言われたらNOとは返せない。
 二つ返事でリビングのテーブルを貸すことになった。

 ……これはチャンスでは?
 そう思ったのは束の間だった。

 許可を得たとたん、トランクスさんは難しそうな本や機械を持ってきて、テーブルの奥にでかい図体を丸めて座り、ガリガリとなにかを書き始めた。
 それはもう真剣な表情で勉強?しているではないか。
 とてもじゃないが話しかけられる状態ではない。
 そして終わるとさっさと出て行ってしまう。

 どうしたもんか。

 そもそもそんなに仲良くないし、いきなり声をかけるなんて空気を読む日本人である私には高難易度である。
 むしろなんと言って切り出せば自然なんだ? あれ? どうやって話しかけるんだっけ?
 雰囲気がそうさせるのだろうか。
 なんというか、図書館にいる受験生みたいにとっても話しかけにくいのだ。

 仕方ないのでもくもくとこちらも作業し、かつて無いほど作業が捗った。

 しょうがない。
 タイミングが合わなかっただけで、そのうち話せるようになるだろう――。

 なーんて思ってるうちに3日経ってしまった。
 予想外である。

 そんな4日目の夜。

 私はおやつ用にりんごジャムを載せてパンケーキを焼いた。
 普通にパンケーキの生地を作り、フライパンで片面焼いてフツフツしてきたら皿にスライドさせてジャムを乗っける。
 そしてバターを溶かしたフライパンでそのジャム面を焼くのだ。
 砂糖多めの自家製ジャムは、バターでキャラメリゼされてアップルパイとはまた違った味わいになる。
 それにバニラアイスを乗せたら完成……なのだが、保存するときはアイスなし。

 大皿にひとつずつ焼きあがったものを置いていくと、「ぐーっ」とどこからか音がした。

 ……あれ、私かな。
 そういえばお腹減ってるや。
 やだー恥ずかしー。

 自分だと思って一切れ食べてると「うっ」とうめく声が聞こえた。
 トランクスさんを見ればお腹を抑えているではないか。
 貴様だったか!

 チャンス到来である。

「よければ食べますか。できたてなんで!」
「え、でも……」

 どもっている間にささっと別皿に取り、アイスを乗っけて差し出すと「……どうも」と言われた。

「コーヒーも持ってきましょうか!」
「いや、いいです」

 断られた。
 自分でやるらしい。

 まあチャンスには変わりない。
 トランクスさんがコーヒーを用意しに外に行っている間、私はパンケーキを作るのをやめてオーブンを覗く。
 実はロールケーキの生地も焼いているのだ。高性能オーブンにはタイマーやセンサーがついているから焼きすぎるってことはないけど、時間を確認しておく。

 そして戻ってきたトランクスさんの向かい側に、飲んでいたミルクティーと供に私は座った。
 無意識にミルクティーに口をつける。

「……」

 なんか言わないといきなり座った私、変では?
 でもなんて切り出そうか――。

 トランクスさんを見れば、口を大きく開けてパンケーキをほおばっていた。
 ……口、デカくない?

 そもそもパンケーキは双子基準だから大きい。にしても一片が私の口の三倍の大きさだ。

 フォークで器用に切り分けてパンケーキを口に入れている光景をぼんやり見ていたら、おずおずと「おいしいですよ」といわれた。
 そうじゃないんだ! 言わせてる感満載の感想なんか催促してない!

「あ、あの、タイムマシンに乗って過去に行くなら、すぐに帰ってこれるんですか?」

 なんとなく気まずくなり、ごまかす様にミルクティーをスプーンでかき混ぜながら問いかけた。

「……いえ、時間は経過するから長くて数日は帰って来れません」

 あ、そうなの?

「行って次の瞬間に帰ってくるんだと思ってました」
「まだ未完成な部分もありますから、そんな完璧には時間軸を設定できませんよ」

 そうだったのか。数日……長いな……。
 双子が心配だ……。食事的に。
 でもなあ、行かないと悟空さん死んじゃうし……。うん。

 私はためらいながら相談があると切り出した。
 するとトランクスさんはパンケーキを3口で平らげコーヒーを飲んだ。

 ……もう驚かない。
 この人、口が大きい。
 普通にしてるととてもそうは見えないが……マジックか。

 おっと、そんなどうでもいいことを考えている場合じゃない。

「あの、タイムマシンって一人乗り……ですよね」
「そうですけど」
「わ、私も一緒に行っちゃだめですかね、乗れませんか!」

 ああ、変なこと言い出したと思われた。すごく怪訝そうな顔をしている。

「乗れるには乗れますけど、危ないですよ。なにしに行くんですか?」

 そうそれ! よく聞いてくれた!

「私が過去に行って悟空さんにナメック星連れて行ってもらえば、帰ってきてからドラゴンボールが使えます!」
「え?」
「瞬間移動です。人の気がわかればどんな星にでも飛べます! ナメック星にだって飛べるはず! ……体力が持てば!」

 ぱかん。
 そんな音が聞こえそうなほど、トランクスさんの口が開いた。
 そのまましばし固まった。

 呆けた顔って珍しいな。

 トランクスさんの出方を伺いながら、私は冷めたミルクティーに口付ける。

「生き返る、んですか……? みんな? 悟飯さんも? ……父さんも?」

 我に返ったトランクスさんが身を乗り出してくるのと、口の中のミルクティーを飲み込んだのはほぼ同時。
 危うく気管に入るところだった。

「……え、ええ。そうです。ナメック星のドラゴンボールは自然死じゃなければ何度でも生き返れたはずなので……」

 トランクスさんが身を乗り出したぶん、近くなった距離を身を引いて離す。

「ナメック星のドラゴンボール……」

 呆然といったふうに呟いたトランクスさんは、次の瞬間カップごと手を掴んだ。

 中身こぼれる!

「行けば、できるんですね!? みんな生き返るんですね!?」

 だからそう言っ―――。

 視線を移せば顔が必死で文句など言える雰囲気ではなかった。

 がしっと掴まれた手はびくともしない。
 だからかこぼれはしなかったけど、せめて置かせてほしい。

 そう思ったのはつかの間だ。

「行きましょう。連れて行きます」

 真摯な声に、もちろん肯定の意味で縦に首を振る。
 すると目の前の人の目元が緩み、口元は円を描いた。

 ―――笑ったのだ。

 まさしく笑みというのがふさわしい、少年らしさが残る微笑みだった。
 開いた目いっぱいに映し出されたそれをそうだと認識する前に、心臓がはねた。

 ちょっと待ってくれ。

 今まで笑顔なんて、ましてや笑いかけてくれたことなんてなかったじゃないか。

 いきなりそんな、

 え、ちょ、

 まって。

 じわじわと押し寄せる表現できない感覚の波が思考を奪い、代わりに熱さを感じた。

 ミルクティーなんてとうに冷めている。
 ならばその『熱』は、一体なんだろう。

 疑問は素直に体を動かした。

 自分よりも熱いものが手を包んでいる。

 それを見たとき、思考が停止した。
 自分の手を覆う熱いもの――大きくて無骨な手をじっと見つめたまま、私はまるで石像にでもなったように固まった。
 それこそ指の先すら動かせない。
 おまけに表情筋は死んだ。

「どうしましたか? ……あ、痛かった? ごめん!」

 手を離され、止まった思考がわずかに動きだす。
「大丈夫です」とだけ搾り出すと、紛らわせるために一気にミルクティーを飲み干す。
 甘ったるい味が舌に残り、消し去るようにもう一度飲み込んだ。

「……でも、話を聞く限り俺の知っている歴史と違うでしょう? あなたが行くことによってまた変わってしまうのではないですか」

 相手はなにもしていないかのように話しかけてくる。

「か、可能性はありますけど、低いと思います。時間軸さえ間違っていなかったら大きく変わることはないんじゃないかなと。個人的にはトランクスさんは二回目だから歴史が変わってしまったんだと思うんです。私はまだ行った事がありませんので記憶している部分に関わらず、おとなしくしてれば大丈夫なような気がします」
「なるほど……」

 対して私は、ただ言われたことに返事をするロボットになってしまったようだ。
 余計なことを考えるとショートしそうになる。
 それくらいインパクトが大きかったのだ。

「私自身強いとは言えないので足を引っ張ってしまいますし、下手にかき回すと平和になるのが変わってしまうかも知れません。それは避けたいので私のことは極力皆さんにも隠しておいたほうがいいと思います」
「隠すんですか?」
「未来から来た別の星のサイヤ人だなんて胡散臭いことこの上ないです。その上未来もわかると知れば混乱するでしょうし、父とベジータさんは仲が悪かったようなので、正直に話すと私殺されてしまいます」
「そこまで……?」
「なのでドラゴンボールで死んだ両親を生き返らせるために地球に来た異星人という設定にして、地球にあるときいてきたが、町に降りた時人造人間に襲われたところを助けて貰ったというのはどうでしょうか。そうすれば不自然じゃないですよね、私があなたに協力しても」
「無理がありませんか? 地球にあると知っているというところが」
「大丈夫です。父が商人で知っていたといいます。そもそもあの人たちは不自然でなければそこまで詳しく突っ込んだりしてこないでしょう。弱いものには興味がありませんから」

 いい終わる直前にオーブンが鳴った。
 その音で反射的に私は立ち上がる。

 キッチンに向かい、無意識でオーブンを開けた。
 狐色の程よく膨らんだ生地が見える。
 取り出すとき、最低値を保っていた思考の波が普通に戻った。

 焼きたての匂いって香しい!
 人間美味しそうなものの匂いには抗えないよね! 本能が!

 ロボットから人間に戻してくれた香りを深呼吸して目一杯肺に取り込む。

 平静を取り戻すと、さっそく焼けた生地を作業台に落とした。
 焼き縮みを防ぐためだが、6つも焼いたから時間がかかる。

 その作業中、頭の中では別のことがよぎる。いや、よぎるどころか考えてる。

 ――あの笑顔。なんだあれは。

 出会ったときの睨み顔との差よ。雲泥すぎて心臓に悪い。
 今まで笑顔というものを見たことがなかったから、破壊力すさまじい。

 悶々としつつ作業をしていると、トランクスさんがいつの間にか横にいた。

「ケーキですか? これ、すきです」

 知ってるよ。でもこれはあなたのじゃないし、そんなにのぞき込まないでほしい。
 ―――ん? いま初めて好きなものを断定したな。

 かあん、と生地が入っている鉄板が落ちるたびに大きな音を立てる。

 私は近くにいたトランクスさんを見上げた。
 珍しく口角が上がっているその人は柔らかい声で呟く。

「あなたが来てから好きなものが増えた気がします」

 えっそういってもらえるとがんばって作ってきた甲斐が――――。

 しかし同時に浮かんだのは、トランクスさんがトースターでチンしてバッタを食べる光景である。

 ずいぶん前に買った10箱タワー。
 それを食べるために、トースター貸して欲しいと言われるときがあった。
 嫌だったけど居候の身では到底断れなかったため、今までに何度か貸したのだ。

 トランクスさんはトースターに並べてこんがり焼いた後、いつも塩を振って食べている。
 そして量的に大抵一回では済まないので何回も焼くことになる。

 見たくもないのだが、下ごしらえをしている私はそれらを必然的に見てしまう環境にいた。
 ポテチ感覚で本読みながらつまんでる姿なんて、これから先忘れることはない。

 …………。
 嬉しいんだけど……とっても複雑な気持ち……。
 いや、自分の好きなものもわからなかった状態から考えれば大きな前進だ。
 喜ばしいことだと思うし、よかったねーっていいたくなる。
 しかしだ……。

 どれだけ〈かばん〉の中のお菓子を増やしても、バッタは定期的に食べているのだ。
 それもう好物だろ。
 なにより、口から尻尾出しながら食べてる姿なんて見た日なんてもう……。

 一気に熱が冷めた私は目の前の作業に視線を戻した。

「思ったんですけど、今回は俺だけで行って平和になったら一緒に行けばいいんじゃないでしょうか」

 テーブルに焼けた生地を並べているとトランクスさんが保存庫を背に問いかけてきた。

「あー……それだと悟空さんが死んでしまった後になるので、意味がなくなります」
「え? 悟空さんは薬で助かるはず、ですよね?」
「助かりますけど死んじゃうんです。最終的には」
「そ、そんな……」

 トランクスさんは悟空さんに生きていて欲しいらしい。声が一気に泣きそうな声に変わった。

 まあまあ。死んでもらわないと後のゴテンクスを作り出すフュージョン覚えられないし、超サイヤ人3にもなれないはず。
 そう思った私は説得した。
 その次に来る敵を倒すために必要なのだと。

 生地を冷ましている間に軽く洗い物をしてしまう。

「……ん? ちょっと待ってください。それならこちらの世界でみんな生き返らせると同じようになってしまうのでは!?」

 なるほど、そのパターンもあり得るかも。
 でも確かこの未来でブウは出ないと思ってたんだけど……。
 ぽん、と私はぬれた手をタオルで叩いて拭いた。

「じゃあその可能性があるか神龍シェンロンにきいてみましょう。もし敵が来るならそれこそみんな生き返らせて修行しないと倒せないですし」
「そんな簡単に考えて、倒せるんですか?」
「……大丈夫ですよ。悟空さんいれば。悟飯さんもベジータさんもいるなら倒せます」

 問題は孫悟天がいないことだけど……双子いるし。
 両親も生き返ってるだろうし、なによりトランクスさんが大人だ。
 戦力としては十分じゃないかなあ。

「トランクスさんもいるし余裕でしょう」と返して、〈かばん〉の中から果物を出して洗う。

「そう、ですか」

 そう言うなりトランクスさんは黙ってしまった。

 大人しくなったのをこれ幸いと、さくさく切り始める。
 トントンとまな板を叩く音しか聞こえなくなり、静かになった。

 隣の人は何時までいるんだろうか。
 そろそろ寝たらいいんじゃないかな。

 言えずにいたら包丁と果物の接触音を少し高くなった声が消した。

「俺、人造人間を倒した後のことなんか全く想像できなかった。倒せてもいないのにそんなこと考えもしなかったし、話せないなって思っていたんです。でも、できるもんですね」

 嬉しそうな声だ。
 果物を切る手が止まり、つい声のほうに視線が向かう。

「一緒に、平和にしましょう」

「ね」と覗き込まれ、視線が交差した。
 口角は上がり、目も柔らかく細まってる。
 つられて微笑みながら返事をするが心臓は痛かった。
 頭も痛くなってきた。

 ――これ、これは……デレた?

 デレてるよね? ……なんで?
 どうしていきなりデレた?
 どこにそんな要素あった?
 皆生き返るって言ったから?

 ……わからん……。

 頭の中は混とんとしている。
 しかし作業は止められない。止めたら明らかに動揺してるみたいじゃないか。
 してるんだけど悟られたくないので着々とロールケーキを作りつづける。

 そしたらロールケーキの端をねだられ、あきれた。
 パンケーキ一枚では足りなかったらしい。
 ぱくぱく食べる青年を見ながら考える。

 美青年の笑顔って心臓にダイレクトに来るなー。
 笑顔ってこんなに攻撃力高かったっけ?

 深夜の疲れた頭ではそれ以上考えが及ばなかった。
 最終的にトランクスさんの口に吸い込まれていくロールケーキをぼーっと見て一日が終わった。


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